日蓮宗新聞

2005年9月20日号

幻想的な世界へ誘う 中山薪能

立秋を過ぎた夏の夕暮れ、満月と篝火のほのかな光の中に幽玄な世界が浮かび上がった。千葉県市川市の大本山法華経寺(新井日湛貫首)で8月20日、中山薪能実行委員会主催の今回で3回目となる中山薪能が行われた。法華経寺という700年の歴史を刻む空間に五重塔がライトアップされ、幻想的な世界へと約1800人を誘った。
新井貫首は挨拶に立ち、「夜のしじまに繰り広げられる優美な世界を楽しんでください」と話し、昭和4年に祖師堂で行われた能の衣装を法衣に仕立てたものをまとっていることを伝えると観客から感嘆の拍手がわき上がった。その後、千葉光行市川市長の挨拶、武蔵野大学名誉教授増田正造氏の演目解説が行われた。
新井貫首と千葉市長による火入れ式の後、金春流の仕舞「杜若」「鵜飼」、和泉流の野村萬斎師による狂言「成上り」が演じられ、古来伝わる狂言のユーモラスな動きと話に終始笑い声が上がっていた。最後に金春流の金春安明師が能「黒塚」を演じ、五重塔に鼓や笛の音が反響する幻想的な空間の中で人々は日本の伝統文化に触れ、慌ただしい一時から離れ、心静かに華麗な世界を堪能した。

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2005年9月1日号

北米開教区 ヒューストン・レキシントン 両市で開堂供養

北米開教区(金井勝海教区長)のテキサス州ヒューストン市とケンタッキー州レキシントン市で、新地開堂供養がそれぞれ行われた。
これは、信行道場を修了したアメリカ人僧侶が開教布教活動をしていた拠点を、昨年8月の教団大会で新たに教団に加えることが認められたもので、今回金井教区長導師のもと正式な開堂供養が行われた。

ローマ字の「方便品」「寿量品」を読む
お堂が唱題の熱気に
ヒューストン市

ヒューストン市のテキサス日蓮仏教サンガは、バレット妙恵沙弥が自宅の居間を開放しているもので、仏間として信徒と共に読経に励んでいる。これまで年に数回現地を訪問して指導にあたっていた、ポートランド日蓮仏教会のフォーコナー龍央主任が代務となることが承認された。
6月9日に営まれた開堂供養には、20余人のアメリカ人が参集。ローマ字で印刷された「方便品」と「寿量品」を読み、お堂が唱題の熱気で包まれた。

バスで片道41時間
手作り仏壇トッラクに
読経すべて英語で
レキシントン市

レキシントン日蓮仏教コミュニティーは6月11日、12日、信徒・未信徒を対象とした信行会「ダルマ・カンファランス」(毎年1回行っている教団行事)の最後に開堂供養を行った。
レキシントン日蓮仏教コミュニティーは、ワーナー真教師が平成13年に信行道場を修了後、オフィスビルの一室を借りて会堂としている。
今回は会場が狭いためマリオット・ホテルのホールを借りての信行会となった。まわりの州に日蓮宗教会がないため、アリゾナ州からバスで片道41時間かけて参加した女性、仕事を済ませ南カロライナ州から夜中車を走らせて参加した男性、手作りの仏壇をトラックに乗せてインディアナ州からかけつけた白人夫妻など21人が参加した。
開会式では「道場偈」「奉送」など読経もすべて英語で行い、信行会では金井教区長が「法華経講義―我らは仏の子供」、赤星龍憲師(開教布教センター長)が「日蓮宗の教えー立正安国・お題目結縁運動」、ワーナー真教師が「日蓮宗の紹介」、妙恵沙弥は「仏教における女性」と題して講義した。
参加者は熱心に耳を傾けノートを取り、全員で腕念珠作りも行った。初めて目にする法楽加持に驚いたり、感銘の涙を流す参加者も見られた。
信行会後の開堂供養では、ワーナー真教師に主任の承認状が授与され、参加者全員に参加修了書が手渡された。
参加者の三分の二は他州からで、日曜礼拝に参加できないため、通信教育の実施を願う人もいた。今後のアメリカ人布教に参考となる集会となった。

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沖縄法華経寺で慰霊法要

“沖縄を 洗っても洗っても 骨の色”(沖縄平和祈念堂献句)
日本唯一の戦場となった沖縄――激戦の末、多くの人々の命が失われた。
終戦60年を迎えた今年、沖縄県那覇市の法華経寺で沖縄のお盆の中日に当たる8月18日、慰霊法要が営まれ、立正安国・世界の平和を誓うお題目を響かせた。

ひめゆりの塔、平和祈念堂、平和の塔
法味言上、お題目の供養

慰霊法要は、日蓮宗の宗制により住職を務める岩間湛正宗務総長導師のもと、垣本孝精日蓮宗総務部長、鹿糠堯順法華経寺主任、法華経寺の檀信徒らが参列し、戦争により命を落とした人々に対し、力強いお題目を唱え、心からの回向を行い供養を捧げた。
法要を終え、岩間総長が挨拶に立ち、「今回終戦60年の節目を迎え、この沖縄の地で亡くなられた方々に慰霊の誠を捧げました。戦争という悲劇を二度と起こしてはなりません。日蓮宗では立正安国の精神を根本に、平和の実現と生命の絶対尊重を呼びかけています。いかなることがあっても、生かされている命を奪うことも、自らの命を絶つこともしてはいけません。私たちは、これからも自らの生き方を見つめ直しながら、日々お題目を唱え、立正安国の実現に向け精進しましょう」と述べ、平和への誓いをあらたにした。
その後、一行は沖縄南部の糸満市にあるひめゆりの塔へ。ひめゆり部隊と言われる若き乙女たちが命を落とした地で、献華し法味を言上した。多くの観光客が訪れており、一緒に手を合わせる人々の姿も見られた。
続いて摩文仁の丘にある沖縄平和祈念堂へ向かった。平和への願望と戦没者追悼の象徴として建てられた祈念堂の堂内には、高さ12mもの沖縄平和祈念像が安置されている。祈りの姿を象徴した像を前にして法味言上。国を超えたすべての戦没者を追悼し合掌した。
最後に沖縄戦の際、追いつめられた兵士や住民が命を絶った喜屋武岬の平和の塔の前でお題目の供養を行った。一同は青い海が広がる景色を見つめ、当時の悲しい出来事に想いを馳せた。
今回沖縄の戦跡を巡り多くの御霊に対し供養を行った。戦後60年が過ぎ、当時を知る人々も高年齢化している現在だが、戦争の悲惨さを風化させてはならない。そして尊い命を奪った戦争を二度と繰り返してはいけない。

法華経寺 昭和52年沖縄在住の篤信者具志堅光雄氏から寄進された土地に、日蓮聖人七百遠忌報恩事業の一つとして寺院の建立を進め、同56年に琉球山法華経寺が建立され現在に至る。代々、宗務総長が住職を務め、昭和50年より沖縄布教所所長を務めていた鹿糠堯順師が法華経寺主任として常駐している。現在は青少年の自力更生の施設としての役割も果たしている。

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新年のご挨拶。

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