日蓮宗新聞

2005年6月10日号

全日青北海道結集札幌大会 全国から213人参集

全国日蓮宗青年会(三浦海慧会長)が第43回全国日蓮宗青年僧北海道結集札幌大会を5月23、24日、札幌市内で開催し、全国から213人の青年僧が参集した。毎年恒例の唱題行脚は、天候には恵まれなかったが、雨に負けない青年僧らしい力強いお題目が北の大地に響いた。今回のテーマは「開拓地から心の開拓地へ」。人心の荒廃が叫ばれる現代、先師たちが北海道の荒野を耕したように、人々の心を耕したいという趣旨のもと集結した。

23日午後1時、札幌市内のホテルでの開会式後、唱題行脚が行われた。空一面に雲が垂れこめ、雨が降りしきる中、青年僧はうちわ太鼓をビニールで包み、レインコートを着てホテル前を出発。2組に分かれ、1組は札幌駅前から大通公園を、もう1組は石川通りを唱題行脚し、すすきので合流した。200人以上の唱題の声と太鼓の音は迫力満点。お題目の種をまきながら、経王寺までの約4キロを80分かけて歩いた。行脚隊と共に、伝道車が拡声器で日蓮宗の教えを説きながらゆっくりと走行。道行く人には教箋が配られた。唱題の声が届くと、会社の玄関先に出て来て手を合わせる人の姿も見られた。
24日は伊藤佳通師(静岡県感應寺副住職・BAC仏教救援センター理事長)を講師に迎え「花の種はこころの種」と題した講演が行われた(別項に要旨)。
伊藤師はラオスに111校の学校を建設するなど、25年間に渡りアジア各国で国際協力活動に取り組んできた経験から、途上国の現状や僧侶が今成すべきことなどを説いた。
その後行われた総会では、平成16年度の活動報告や財務決算報告などがなされ、次回の結集は身延山久遠寺で檀信徒と共に行われることが確認された。

講演要旨

僧侶一人ひとりが得意分野で社会のため仕事を推進してほしい
布教活動 国際協力について説く 伊藤佳通師講演

25年前、ポルポト政権が崩壊したばかりのカンボジアの子供たちに鉛筆やノートを援助しようとしたとき、校長先生に「花の種をください」と言われました。目の前で親や友達を殺されるという凄惨を極める体験で、心に深い傷を負った子供たち。笑顔を失った彼らに必要なのは、物質よりも心の豊かさでした。
発展途上国は今、先進国の考え方に異を立てています。例えば、アフリカ大陸では食糧不足が深刻ですが、実はアフリカで収穫される穀物は、アフリカ全土の需要に充分に対応できます。しかし先進国が家畜の餌にするため、高値をつけて買い漁っています。このため家の前で収穫された穀物を食べることができない人が沢山いるのです。
今、世界では食糧が足りないのではなく、その四分の三を世界人口の四分の一の先進国の人々が奪い、残った四分の一の食糧を四分の三の途上国の人々が分け合って食べている、それが現状です。私たちにとって当たり前の生活が多くの人たちを苦しめているのです。それを知った上で生活して下さい。
今必要なのは、途上国が先進国に近づくグローバリゼーション(地球一体化)ではなく、先進国が足るを知ることによって途上国に近づき、貧富の差を埋めるようなグローバリゼーションだと思います。
◇   ◇
「お題目の救い」「妙法経力の救い」それはもちろんあります。しかし水も食べ物もない人や、病気の子を抱えた母親にお題目を唱えても、感謝されません。その人たちは水が、食べ物が、薬が欲しいのです。
東南アジアを中心として広まっている上座部仏教は戒律が厳しく、他人の為に何かをすることはできません。その地でイスラム教やキリスト教は様々な手段で布教活動を展開しています。東南アジア最大の仏教国であるタイでは今、イスラム教徒が急増し、仏教勢力は衰退の一途を辿っています。だからこそ、日本の大乗仏教がイスラム教やキリスト教に対抗できる活動をしなければなりません。布教のための戦争を起こしたことのない仏教こそ、世界の平和を語ることができるのです。まずは、仏教の素晴らしさを伝えることから始めなければなりません。
◇   ◇
布教活動には様々な形や方法があり、その中の一つに国際協力部門があります。価値観が多様化している今、僧侶一人ひとりが、一番得意な部分で社会に対しての仕事を推し進めてほしいのです。そして、その頂点を集めたところが日蓮宗となれば、宗門はもっとすばらしいものになっていくと思います。
私は今後も国際協力を続け、今度は地元の人々のためになる井戸掘りの活動をしていきたいと思います。

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