日蓮宗新聞

2004年11月10日号

余震になお厳重警戒 04新潟県中越地震

10月26日と27日、日蓮宗宗務院の垣本孝精部長らが被害状況を視察するため、被災地に赴いた。上越新幹線が不通のため長野回りで現地入りした垣本部長らは、はじめに柏崎市東城寺(住職・齋藤憲一宗会議員)を視察。救援に駆けつけていた神奈川一部日蓮宗青年会のメンバーを激励した後、齋藤議員、新潟西部の池浦泰樹宗務所長とともに長岡市役所と小千谷市役所を訪問した。

長岡市役所では、床に段ボール箱を敷きつめ宿泊まりする避難住民の間を縫って小野塚進収入役と面会し、垣本部長が「一日も早い復旧をお祈りします」と見舞金50万円を手渡した。長岡市では人口の四分の一にあたる住民が3日目の避難生活を送っており、「お風呂に入りたい」という強い声に応えるため、スーパー銭湯を無料開放する予定だが、それだけでは全員の要望に応えられないため検討を重ねているという。
小千谷市役所では健康福祉課の南雲信課長に見舞金50万円を手渡した。小千谷市では未だ被害状況もできない状況で対応に追われており、27日からボランティアセンターを立ち上げるという説明を受けた。27日、新潟東部の吉田錬勝宗務所長から被害状況を受け帰京。垣本部長は翌28日、台風23号で被害の大きかった兵庫県豊岡市に向かい、現地視察を行った。

墓石の倒壊続出 多くの寺院に被害

 10月23日に発生した新潟県中越地震は、依然断続的に余震が続いており、11月4日朝には越路町などで震度5強を観測。崖崩れなどの二次災害も心配されている。豪雪地帯の多い被災地に年の瀬が近づいている11月4日現在、いまだ4万3千人が避難生活を送っている。
長岡市を中心に新潟県のほぼ中央に位置する中越地方に日蓮宗寺院は55ヵ寺ある。本堂の倒壊は免れたものの、震源に近い寺院では壁が剥落したり墓石が崩壊し、本堂内は落下した位牌や仏具で散乱した。住職や寺族に死傷者はなかったが、檀信徒の被災状況はまだ把握できていない。
震源地の小千谷市に唯一の日蓮宗寺院・松涼寺(平山要秀代務住職)の庫裏は「危険」の判定を受け、危険表示の赤いラベルが貼られている。墓石はすべて倒壊、大きな余震が続くたびに平山代務住職らが片付けにあたっている。
長岡市にある3ヵ寺のうち妙音寺(中村義玄住職)では本堂の壁が落ち、ほとんどの仏具が落下倒壊するなか日蓮聖人像、三宝尊、四菩薩は損壊することなく、現在は庫裏に写し余震から守っている。
南魚沼郡法華寺(片桐要重住職)では本堂の裏山が崩壊する恐れがあり、樹木が本堂側へ倒れるのを防ぐため急遽樹木の伐採を行った。
柏崎市妙廣寺(竹岡智大住職)の境内には地割れが発生した。幼い寺族は夜建物の中で寝ることを怖がり、数日の間車の中で睡眠をとった。
三島郡本山妙法寺(長谷川日城貫首)では鳥居と石造の常夜灯が倒れ、七面堂の瓔珞が切れるなどした。7月の水害を受け修復作業を進めていた所だった。

主な被害状況は次の通り(位牌の落下はほとんどの寺院で見られたため省略)。〈三島郡〉金蔵寺・本堂の壁が一部崩落/大栄寺・墓石数基倒壊、裏山の壁崩壊の危険/蓮念寺・墓石数基倒れる/大慶寺・墓石十数基倒壊/圓徳寺・祖師像欠損、墓石数基倒壊/大光寺・荘厳具落下、石灯篭三基倒壊〈長岡市〉真浄寺・本堂内三宝尊を残して荘厳具すべて倒れる、石灯篭倒れる〈柏崎市〉妙行寺・厨子倒壊、墓石数基倒れる、番神堂の石灯篭一部落下/本妙寺・荘厳具落下、壁の一部抜け落ちる/東城寺・本堂内天蓋、荘厳具等落下、墓石数基倒壊/正平寺・墓石倒壊〈中頸城郡〉妙蓮寺・仏具落下〈刈羽郡〉玉泉寺・門石柱、石灯篭、墓石数基倒壊、蔵壁剥落/妙満寺・荘厳具倒れる、蔵壁剥落〈上越市〉法顕寺・荘厳具等一部倒壊

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2004年11月1日号

“建学の日・日蓮聖人涅槃会仏教文化公開講座”

 立正大学仏教学部(北川前肇学部長)では13日、大崎校舎の石橋湛山記念講堂で“建学の日・日蓮聖人涅槃会(御会式)仏教文化公開講座”を開催し、一般客や学生ら約400人が出席した。公開講座は22回目を数え、ご入滅の日に涅槃会法要とあわせて行われるのは今回が初めて。
第一部の日蓮聖人涅槃会法要は渡邉一之学園理事長を導師に営まれた。式衆は谷中・熊谷学寮生が務め、仏讃歌研究会プンダリーカも出仕して仏讃歌を奉唱した。
続いて庵谷教授が「日蓮聖人の三大誓願と建学の精神」と題して講演。日蓮聖人の三大誓願を紹介した上で、立正大学の“建学の精神”はその表明であることから、今後も教育の現場で「人類の指針の提示」「社会への寄与」のため、人材育成に努めていくと話した。
第二部では、国内外で活躍する筑前琵琶奏者・上原まりさんが、日蓮聖人の伝記の中から「由比ヶ浜」を、ファンお馴染みの“平家物語”からは「祇園精舎」のくだりを朗読した。
また、上原さんが新たな試みとして挑戦している瀬戸内寂聴訳“源氏物語”の演目「桐壺」も披露された。約20年にわたって取り組んできた合戦物の平家物語とはちがい恋物語であることから、艶やかな音色を探すのに試行錯誤したというが、味わい深い音色は終演まで会場を十分に魅了していた。

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秋雨にけむるお会式

10月13日は日蓮聖人がご入滅された聖日。この季節、全国各地の日蓮宗寺院で第723回目の日蓮聖人報恩のお会式が行われるが、「聖人ご入滅の霊地」である東京大田区の大本山池上本門寺(酒井日慈貫首)では、今年も11日から13日までお会式に関連した諸行事が行われ、約20万人の人出で賑わった。

百数十講中 万灯練供養 雨の中20万人の人出

【11日】午前11時から酒井貫首を導師に歴代先師聖人並びに池上法類・池上護山会先師報恩法要が営まれた。この一年間に遷化された方々の名前が読み上げられ、参列者は供養の報恩を捧げた。
午後2時からは納経十種供養式法要。法要に先立ち、境内を練り供養すると、訪れた人々は雅楽の音色に耳を傾け、通り過ぎる僧侶に合掌していた。本門寺写経会の信徒が九種の供物(華、瓔珞、抹香、塗香、焼香、幡蓋、衣服、伎楽)と、合掌一種をご宝前に奉呈。休日ということもあって、多くの人が法要の様子を見守っていた。

【12日】午前10時から酒井貫首を導師に行われた宗祖御更衣法要では、東京都町田市などから毎年訪れる伝統の武相御召講が御召服を献上し、堂内に読経が響く中、本門寺僧侶二人の手により、大堂にご奉安される日蓮聖人像の御衣が夏物から冬物にあらためられた。
午後2時からの宗祖報恩御逮夜法要には全国から集まった大勢の参詣者で大堂が埋め尽くされ、午後6時にはいよいよ万灯行列がスタート。秋雨の降りしきる中、池上徳持会舘から本門寺までの約2kmにわたって百数十講中もの万灯練り行列が池上の町を練り歩き、沿道で見物する参拝客も深夜にいたるまで引きも切らず、山内は興奮に包まれていた。
【13日】午前8時から、日蓮聖人のご入滅時に弟子の日昭上人が鐘を打ち鳴らしたという言い伝えにちなんだ臨滅度時法要が行われた。大堂内は前日から参籠をしている参拝者に加え、雨模様にもかかわらず一般参列者で埋め尽くされ、酒井貫首が厳粛に打ち鳴らす鐘の音が響き渡る中、低頭して合掌し往時を偲んだ。

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新年のご挨拶。

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