日蓮宗新聞

2004年5月20日号

三重県白山町に松寿教会設立

三重県白山町に新しく日蓮宗の教会・松寿教会が設立され、4月26日、担任の辻部妙寛法尼へ辞令が伝達された。
辻部師は「日々の生活の中でお題目の大切さを伝えたい」という志の下、これまでも大阪府八尾市で妙宝結社の教導として多くの信徒に教化活動を行ってきた。またファッションデザイナーという一面も持ち、関西の服飾業界で活躍している。自らが経営するブティックの2階に結社を構え、毎月数回、唱題行と説法の会を行い、月一回の相談日には30人以上の相談者が訪れるという。
今回、三重県に設立された松寿教会は、12年前、辻部師が戦死した父親の50回忌を記念して建てた庵が始まりで、祖父母・両親から受け継いだ熱心な法華信仰を実践する道場であった。これまでも、若者を中心に、精神を患った多くの人々がこの道場で信仰と修養の生活を送り、立ち直っていった。
松寿教会は榊原温泉に近い緑豊かな土地にあり、春秋二回の修行会では毎回30人ほどが参加者し、泊まり込みで唱題と読経の修行を行っている。教会では今後も修行会を充実させ、信徒が幅広く利用できる新施設の建設を今夏に着工したいとしている。
4月26日、東京大田区の日蓮宗宗務院で行われた辞令伝達式では岩間湛正宗務総長が「ひとつの法城がここにまた誕生しました。どうかこれからも宗門興隆のためにお力を尽くされるようお願い致します」と辻部師を激励した。
辻部師は「女性ならではの優しさでこれまで信徒さん達と接してきました。ファッションの仕事も私にとっては、お題目を弘めるための表現法の一つと考えます。美しい服装で身を包む現代人が心の内から美しくなってもらうよう、お題目のすばらしさを一人でも多くの人に伝えたい」と話した。

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立正大生トリオ、勇気ある善行

駅ホームに転落した男性を救助した立正大学の学生、遠山紘太さん(経営学部3年)、髙橋真堂さん(仏教学部4年)、金浜雅一さん(経済学部3年)の3人に、川村雅博玉川消防署から感謝状が贈られ、5月6日、立正大学で授賞式が行われた。

 4月25日の午後9時過ぎ、東京・世田谷の東急田園都市線二子玉川駅ホームから白い杖をついた盲目の男性が転落、たまたま居合わせた金浜さんら3人が、瞬時の判断で線路から男性を引き上げた。ホームは当時、電車の本数も多い時間帯で、男性が転落した直後も次に到着する電車のヘッドライトが見えていたという。機転の利いた3人の行動が惨事を防いだ。
感謝状を手渡した川村雅博玉川消防署長は「助けたいという気持ちはあっても第一歩が踏み出せず、躊躇してしまうもの。最近では駅構内で怪我をする人が増えている。今後も困った人がいたら温かい手を差しのべていただきたい」と謝礼を述べ、丁重に感謝状を受け取った3人と固い握手を交わした。
同席した加藤吉則副学長は「咄嗟に実行に移した3人の勇気を称えたい」と顔をほころばせた。
3人は学生団体、郵政会のメンバーで、この日はその活動を終えての帰宅途中だったという。遠山さんは「後になって、自分の行動が正しかったことを実感しました」と語っていた。

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2004年5月10日号

大本山中山法華経寺「禮法華儀式」

法華経を誦経し懺悔、身心清浄を行う「禮法華儀式」が4月17日、千葉県市川市の大本山中山法華経寺(新井日湛貫首)で行われた。儀式では首座を務めた僧侶が、中国から伝来し、聖徳太子の時代の法華懺法の衣の形式を伝え、戦前に使われていたという、褐色の麻の衣・褊衫裙を身にまとい、古の様子を思わせた。

インド法式で法要 今年5回目の禮法華儀式
千葉県市川市・大本山中山法華経寺(新井日湛貫首)では4月15日から20日まで、春の大法要初祖日常聖人「千部読誦報恩会」が行われた。15日には修法師会(石川文英会長)出仕で五穀豊穣国祷会が営まれるなど連日、祈願・追善・報恩のために法華経読誦の声が境内に響いた。

17日は午後2時から禮法華儀式が営まれた。法華経寺での禮法華儀式は戦前まで行われていたが、その後途絶え、平成12年に復活させ、今年で5回目となる。儀式は古式にのっとり、はじめに本院前から法華経寺振興協賛会有志を先頭に、檀信徒や式衆による庭儀練り行列が行われ、祖師堂正面から象香炉をまたぎ衣を清め入堂。引き続き禮法華儀式の内容と歴史、その功徳が説明された。
法要は新井貫首を導師に営まれ、首座の蓮見高純師(八街市實相院住職)は聖徳太子時代の法華懺法の形式を伝えたという褐色の衣・褊衫裙(法華経寺に伝わる)に身をつつみ、厳かな中、禮法華が進められた。また式衆は、声明の間に塗香を塗って身を清め、柄香炉をつかって禮法華の特徴でもある、左膝を立てて右膝を地につける胡跪拝というインドの法式で法要が行われた。
その後、新井貫首が歎徳文を読み上げ日常聖人の徳を讃え、満堂の僧侶檀信徒一体となってお題目を唱えた。
また、当日は野点が行われるなど、多くの人が参詣に訪れた。


宗門内で最古 貴重なもの

褊衫裙(へんざんくん)
 僧祗支(そうぎし)「左肩より右脇につけるもの」と覆肩衣(ふくけんね)「右肩から左脇にかけるもの」を合せて襟と袖をつけてつくられたものを褊衫という。垂領(たりくび)で、僧祗支と覆肩は背の部分は縫い合わせておらず、着用するときには左袵(ひだりまえ)にする。この褊衫に裙子(くんず・袴状の衣服)を付けるため、褊衫裙という。生地は、麻布または木綿布。袈裟は、同質同色の七条袈裟で、坐具を帯用する。

 今回、法華経寺で発見・保管されていたものは、保存状態も良く一式そろっており、宗門内でも最古といわれる貴重なものである。

禮法華儀式とは
「法華懺法」を簡略化したもの。法華懺法は中国天台大師智顗の「法華三昧行法」(法華一乗の精神の実践法、日常生活の心構え、心の運び方や行儀を説いたもの)をもとに、法華経の読誦によって自己の罪障を懺悔し、仏のさとりを得て、先祖供養をすると共に、現世安穏を祈る法会。この法会に参列した者も同様の功徳が得られるという。

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