日蓮宗新聞

2004年5月10日号

大本山中山法華経寺「禮法華儀式」

法華経を誦経し懺悔、身心清浄を行う「禮法華儀式」が4月17日、千葉県市川市の大本山中山法華経寺(新井日湛貫首)で行われた。儀式では首座を務めた僧侶が、中国から伝来し、聖徳太子の時代の法華懺法の衣の形式を伝え、戦前に使われていたという、褐色の麻の衣・褊衫裙を身にまとい、古の様子を思わせた。

インド法式で法要 今年5回目の禮法華儀式
千葉県市川市・大本山中山法華経寺(新井日湛貫首)では4月15日から20日まで、春の大法要初祖日常聖人「千部読誦報恩会」が行われた。15日には修法師会(石川文英会長)出仕で五穀豊穣国祷会が営まれるなど連日、祈願・追善・報恩のために法華経読誦の声が境内に響いた。

17日は午後2時から禮法華儀式が営まれた。法華経寺での禮法華儀式は戦前まで行われていたが、その後途絶え、平成12年に復活させ、今年で5回目となる。儀式は古式にのっとり、はじめに本院前から法華経寺振興協賛会有志を先頭に、檀信徒や式衆による庭儀練り行列が行われ、祖師堂正面から象香炉をまたぎ衣を清め入堂。引き続き禮法華儀式の内容と歴史、その功徳が説明された。
法要は新井貫首を導師に営まれ、首座の蓮見高純師(八街市實相院住職)は聖徳太子時代の法華懺法の形式を伝えたという褐色の衣・褊衫裙(法華経寺に伝わる)に身をつつみ、厳かな中、禮法華が進められた。また式衆は、声明の間に塗香を塗って身を清め、柄香炉をつかって禮法華の特徴でもある、左膝を立てて右膝を地につける胡跪拝というインドの法式で法要が行われた。
その後、新井貫首が歎徳文を読み上げ日常聖人の徳を讃え、満堂の僧侶檀信徒一体となってお題目を唱えた。
また、当日は野点が行われるなど、多くの人が参詣に訪れた。


宗門内で最古 貴重なもの

褊衫裙(へんざんくん)
 僧祗支(そうぎし)「左肩より右脇につけるもの」と覆肩衣(ふくけんね)「右肩から左脇にかけるもの」を合せて襟と袖をつけてつくられたものを褊衫という。垂領(たりくび)で、僧祗支と覆肩は背の部分は縫い合わせておらず、着用するときには左袵(ひだりまえ)にする。この褊衫に裙子(くんず・袴状の衣服)を付けるため、褊衫裙という。生地は、麻布または木綿布。袈裟は、同質同色の七条袈裟で、坐具を帯用する。

 今回、法華経寺で発見・保管されていたものは、保存状態も良く一式そろっており、宗門内でも最古といわれる貴重なものである。

禮法華儀式とは
「法華懺法」を簡略化したもの。法華懺法は中国天台大師智顗の「法華三昧行法」(法華一乗の精神の実践法、日常生活の心構え、心の運び方や行儀を説いたもの)をもとに、法華経の読誦によって自己の罪障を懺悔し、仏のさとりを得て、先祖供養をすると共に、現世安穏を祈る法会。この法会に参列した者も同様の功徳が得られるという。

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