日蓮宗新聞

2003年11月20日号

国際永久平和祈念祭典in OSAKA

全世界の戦争・紛争被災慰霊者を祈り、世界平和のため、開かれた市民運動として共に祈念を行う、第23回国際永久平和祈念祭典in OSAKA(国際永久平和祈念祭典協議会主催)が11月6日、大阪市中央区のNHK大阪ホールで行われ、全国から約1400人が参加した。
まず、スイス総領事のダニエル・アヴィオラ氏の開会宣言で開幕。第一部は「今、求められる諸宗教対話について」と題しシンポジウムが行われ、講師に中央大学法学部教授の眞田芳憲氏と日本で活動するNCC宗教研究所副所長のマルティン・レップ氏、司会には竹内日祥師(大阪市妙見閣寺住職)があたった。レップ氏は宗教間対話の歴史を述べ、対話を進めるには①主体と主体の関係を作る②話を聞く③偏見・誤解の訂正④様々なレベルでの対話⑤誠実な態度⑥宗教間対話を学ぶ施設をつくることが必要であるとした。
眞田氏はイスラム教について、テロや戦争について取り上げられることが多いが、本当の教えは徹底的な平和主義で、開かれた宗教であると語った。また宗教対話についてイスラエルのユダヤ、キリスト、イスラムの各教徒が共同生活を営む施設を例に挙げ、信仰する宗教が違っても“命の子”であることにはかわらず、命を大切とする真の宗教間対話、共同があるべきと話した。
両氏の意見を受け竹内師は「人間は他人との対話を通してのみ新しい自己を生み出すことができ、出会い、交わりなくしては自己の成長はありえない。宗教家も他宗教と対話することで自分の正しい信仰を深め、磨きをかける大きな契機となる」と締めくくった。
第二部の宗教芸術祭典「荘厳」では、黄檗宗の仙石泰山管長を導師に、呉汝俊(ウー・ルーチン)氏の京胡演奏、キーボード、チェロによる幽玄な合奏と、梵唄(江戸初期に明から伝来した中国様式の声明)が交互に奏でられ、互いに尊重し融合しながら平和への祈りを捧げた。
最後に諸宗教代表者が登壇、日蓮宗からは齋藤邦昭身延山久遠寺副総務、竹内師、シュテフェンス祥馨師が参席。和宗総本山四天王寺の森田禅朗元管長が代表して挨拶、西郊良光天台宗宗務総長が共同宣言を読み上げた。総監督を務めた竹内師が諸宗教対話の必要性を広め、進めていく決意を熱く語り、閉会した。
国際永久平和祈念祭典は昭和五十六年、大阪砲兵工廠慰霊祭として第1回が開かれて以降、大阪府下全域大空襲被災者慰霊祭、全世界戦争・紛争被災者慰霊祭と対象が拡大。その間、日蓮宗が主に運営していた。平成3年からは各宗派・宗教が持ち回りで運営し、今回は黄檗宗。祭典の総監督は毎年、竹内師が務めている。

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檀信徒寺族10人が熱弁

日蓮宗現代宗教研究所(久住謙是所長)主催、第4回「日蓮宗教化学研究発表大会」が11月5日、東京大田区の日蓮宗宗務院で開かれ10人が研究の成果を発表した。同研究所では現代に目線を合わせ、社会に即した宗教活動を行うために「ああしたらいい、こうすべきだ」といった現場の声を広く発表することを、大会のねらいとし、僧侶のみならず、寺族ならびに檀信徒にも広く参加を募集している。今年も二人の檀信徒と一人の寺庭婦人が、現場からの活動報告と提案を行った。
今回初めての発表となる東京都法蓮寺信徒の芳根鋭蔵氏は「目線を現代に合わせた行動と現代社会の諸問題に対する提案」と題して、檀家総代としての日々の活動を報告した。殺人が日々報ぜられ、混迷の時代といわれる今こそ家庭教育を見直すべきで、そのためには仏教と寺院の果たす役割が大きく、法蓮寺では地域社会との連携で、地元商店街とタイアップした行事を行っていることなどを紹介した。
大本山清澄寺護山会会長で清澄寺の立教開宗750慶讃事業を信徒の立場で支えてきた町田栄作氏は「社会の目線で、日蓮聖人生誕800年を考える」と題して発表。町田氏は「高度に進んだ情報化社会で世間の人々は古い権威を顧みなくなっており、そういった風潮にお寺のお坊さんも自信を失ってしまっているのではないか。時代に取り残されないためにも自分の力で情報を得、必要な部分を精査することが大切。知ることは力である」と力強く訴えた。
お寺の活動を内から支える寺庭婦人の立場として、大森ゆきゑ氏(神奈川県延寿寺内)は今回で2回目となる発表を行った。大森氏は「信行活動には寺族も一緒に参加協力致しましょう!」と題し、年間30回を超える行事と月1回発行している寺報の編集方法について紹介。いずれも檀信徒の積極的な協力によって進められているが、それには住職を始め寺族が率先して行動することが不可欠な要素であると強調した。
発表では、他にも7人の宗門僧侶による研究報告がなされ、幅広く活発な情報交換の場となった。
最後に特別発表として河村孝照師(日本伝統文化研究所所長・静岡県妙源寺住職)が登壇。河村師は「日蓮宗は社会規範についてどう考えるか」をテーマに論を進め、常に世間に向けて法を説き続けられた日蓮聖人のみ心を鏡として、現代の布教に応用できる道を求めていきたいと述べた。
なお、全発表の詳細は『教化学論集4』として来年3月に発刊予定。

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2003年11月10日号

客殿「教雄閣」が落慶

岩手県宮守村の法華寺(阿部是秀住職)で10月19日、立教開宗750年慶讃事業として進めてきた客殿「教雄閣」の落成奉告式と開山上人第33回忌御報恩会が、身延山久遠寺法主・藤井日光猊下を導師に営まれ、遠くは九州から僧侶檀信徒約300人が参列した。
法華寺は、藤井法主猊下の師父、身延山第86世の一乗院日静上人を開山とし、遺骨も分骨されている。客殿「教雄閣」は藤井法主猊下の名にちなんで付けられた。
法要に先立ち、山梨県本国寺万灯講がにぎやかなお囃子や纒で法要に花を添えた。午後1時半、信徒の代表が献灯、献華、献香、供善を行い、法華寺和讃講が和讃を奉唱。法要では、藤井法主猊下が慶讃文を読み上げ、阿部住職のこれまでの尽力を讃え、慶讃事業の無事円成を奉告した。
引き続き、佐々木瑞英師(山田町瑞然寺住職)を修法導師にご宝前法楽が行われ、その後、藤井法主猊下が御経頂戴、法話の中で、日静上人への厚い供養に感謝を表し、また「阿部住職を中心に宗教を大事にし、法華経を中心としたお題目を唱えるよう精進下さい」と話し、猊下のお言葉に一同は合掌し頭をたれた。
法要後、斉藤邦昭身延山久遠寺庶務部長、菊池錬宥宗務所長が身延山法主表彰、管長表彰が阿部住職らに授与、阿部住職が工事関係者らに18人に感謝状を贈った。
続いて斉藤庶務部長が挨拶に立ち、法華寺が宮守結社だった当時を振り返り、今後さらなる道場として発展させ、東北の地に法華経の信者を一人でも多くのこして頂きたいと話した。
最後に阿部住職は「一人一人が救われるために、今後もお題目を唱えていきたい」と謝辞を述べ終了した。

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新年のご挨拶。

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