日蓮宗新聞

2003年6月10日号

第20回綜合財団賞に石川・佐々木・中尾師

日蓮宗綜合財団(伊藤通明理事長)は第20回日蓮宗綜合財団賞、第12回日蓮宗綜合財団奨励賞の授賞式を5月22日、東京・港区のホテルパシフィック東京で行い、岩間湛正宗務総長、東京四部の宗会議員、全国の宗務所長ら160人が出席した。
今年度綜合財団賞を受賞したのは、布教伝道部門で石川泰道師=千葉県誕生寺貫首、海外布教部門で佐々木妙定師=山梨県船守寺住職、学術研究部門で中尾堯文立正大学名誉教授の3師。奨励賞は、布教伝道部門で埼玉県青年会、名古屋青年会、岡山立正青年会、北海道北部青年会の4団体がそれぞれ受賞した。
岩間湛正宗務総長は「綜合財団賞は日蓮宗において最高の栄誉。財団賞を受賞された先生方は、それぞれの分野でオーソリティーとして実績をお持ちです。今後とも宗門のためにご経験知識をもってお導きいただきたい。4青年会の方々の受賞は、それぞれの活躍を認められたものですが、今後のますますの活躍を期待するという意味も込められていると思います。宗門のために若い方々のご尽力をお願いします」と挨拶。引き続き、受賞者へ賞状と盾、副賞が手渡された。
綜合財団賞を受賞した石川師は、常任布教師として全国各地で布教伝道の第一線として活躍。現在も、勧学院勧学職として法華経講座・ご遺文講座などを行っている。
石川師は「我々布教師というものは、自分で話して独りよがりをしがちですが、法話は聞いてくれる人がいなければ成り立ちません。考えてみますと、今まで全国を回ってお話を聞いて下さった何万人、何十万人の中に下種結縁を結ばれた方がたくさんおられると思います。今日の受賞は決して私の力ではなく、その方々のお陰。命ある限り布教の道を歩んで参りたい」と述べた。
佐々木妙定師は、故・佐々木鳳定上人とともインドの地で30余年にわたって布教を展開し、平成5年、日月山法輪寺を新寺建立。現在は、隣接地に3千余坪の地を獲得して仏舎利塔、教育・医療機関を建設している。
中尾堯文師は、立正大学教授として教育に携わったことに加え、日蓮聖人のご真蹟の研究、重要文化財の指定等宗門内外に渡って活躍してきたことが評価された。
また、奨励賞を受賞した4青年会は、青少年の教化育成をモットーにそれぞれの立場で寺子屋や修養道場、災害時救援、慈善事業、ボランティアなど青年ならではの分野で活発な活動を十数年に渡って続けてきたことが評価された。

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佐渡に日蓮聖人の大銅像完成

日蓮聖人が遺されたお題目の教えを、銅像を通して広く社会に伝えたい―。青年僧の呼びかけに賛同した全国の有志僧侶と檀信徒の発願が実を結び、日蓮聖人ご霊跡の地・佐渡に聖人の大銅像が完成し、その開眼落慶法要が5月13日、全国から僧侶檀信徒や大銅像周辺地域の住民など約2千人が参列し盛大に営まれた。
大銅像が太陽の光を浴びて金色に輝く会場では、全国から集まった檀信徒が合掌する中、西身延青年会が先頭にたって新緑豊かな田園風景の中を進み、万灯を奉納。全日青の僧侶、導師の浅井圓道師(長崎県長照寺住職)、式衆が後に続き、御本尊、御神体、御経が大銅像内部に納められた。

 午前10時、法要が厳修され、僧侶と檀信徒の読経が響き渡った。法要中、佐野代表を導師に修法が営まれ、全日青の会員が檀信徒を囲んで修法を行った。
銅像完成に至るまでの経緯や数々の苦難を声をつまらせながら敬白文を言上する佐野代表を前に、目頭を抑える檀信徒の姿も数多く見られた。続いて参列者全員で唱題し、お題目が会場全体にこだました。
その後、浅井師、本山根本寺の竹中錬浄貫首、川口徳一両津市長、菅野啓淳身延山久遠寺布教部長が祝辞。竹中貫首は挨拶の中で「大銅像は日蓮宗だけのものではありません。生きとし生けるもの全ての方が、大聖人の銅像を目にした時、人間らしい心を養って、人を敬う心をもって頂きたい。これからは根本寺が責任を持って護持いたします」と話した。 続いて土地を寄進した土屋辰治さん、斉藤一夫さんはじめ地権者、両津市長、建設関係者など16人に佐野代表から感謝状が手渡され、最後に、若松宏泉師(北海道妙心寺住職)が竹中貫首に委託状を授与した。

法要終了後、豊田慈證師(愛知県法華寺住職)が大銅像の前で高座説教を行った。また、地元の民謡や、佐渡おけさ、新野大野鬼太鼓などの清興が行われた。
清興の最後に、佐野代表が挨拶に立ち、万歳三唱を行って終了した。

大きな銅像にびっくり
落慶式会場には檀信徒以外にも多くの人が足を運んだ。
地元両津高校の生徒約80人も体育の課外授業の一環として訪れた。銅像建立地は生徒の通学路にもあたり、工事中から関心を集めていた。「このお像はだれ?」といった疑問を生徒たちは学校や家庭などで話題にしていたという。
引率の体育教諭の和田紀明さんは「銅像が完成した時も生徒と一緒に来ました。記念の式典に参加することによって、島外とのつながりを感じ、同時に郷土の歴史を知ってもらえれば」と話した。女子生徒の1人は「こんなに大きなお像が出来てびっくり! これから私たちを守ってくれそうでとてもうれしい」と銅像を見上げていた。
また近所に住む他宗の女性は「作り始めた頃から見ているが、すごく立派。うらやましいというのが素直な気持ちです」と話した。
土地を寄進した土屋さんは「今後この銅像が信仰の拠点となって、全国から信者がきて下されば」と銅像の完成を喜んだ。

金色に輝く大銅像
日蓮聖人の大銅像は像高13メートル、台座13メートル(総高26メートル)。台座には浅井圓道師が書いた「開目」の字が刻まれ、お釈迦さまの生まれたインドの方角を向いて立つ。
銅像は両津市加茂歌代地区にあり、周りには田園風景が広がる。晴れの日には金色に輝き、両津港へ入港する船からもはっきり見ることが出来る。

建立きっかけは全日青の佐渡結集

「法華経布教のため、お祖師さまのために、是非役立てて頂きたい」と、土地を寄進したひとりの檀徒の思いに答え、佐渡に日蓮聖人の大銅像が建立された。
きっかけは平成10年、全国日蓮宗青年会(佐野前延委員長=当時)が佐渡結集を行い、唱題行脚してお題目を響き渡らせた時のこと。それに感銘を受けた本山根本寺檀徒の土屋辰治さんが、全日青に土地を寄進した。
その後、全日青執行部は協議を重ね、佐渡は日蓮聖人ゆかりの島であることを象徴するために日蓮聖人の大銅像建立を発起した。しかし、翌年の結集で青年会員に銅像建立を提案したが賛否両論があり、全日青としての取り組みは断念した。
大銅像の建立が心残りのまま、平成12年に全日青委員長を退いた佐野師は、一僧侶としてあらためて佐渡に日蓮聖人の大銅像を建立することを発願し、佐渡銅像建立委員会を結成した。土地を無駄にしたくない、何もできないと言われがちな自分たち青年僧にも何か“できる”ことをしたい、との思いもあった。その心が通じ、有志の僧侶342人から賛同を得た。
建立委員会では、寄進された土地周辺の確保に乗り出した。新たに地権者の斎藤一夫さん(両津市妙法寺檀徒)からの寄進も加わり、最終的な建立予定地は約3千㎡になった。
さらに全国にも勧募を拡大し、銅像建立に賛同した全国の檀信徒や寺院から、たくさんの浄財が寄せられた。
完成を迎えるまでには様々な困難があったが、全国の檀信徒からの励ましの手紙などに助けられた、と佐野代表は言う。大銅像には、支えてくれた檀信徒の熱い思いと、完成までお導き下さった日蓮聖人に感謝し、先師上人や先輩を敬う青年僧の気持ちが込められている。
さらに佐野代表は「今の人々は、“しないことをおそれないで、することをおそれる”、行動を起こさなくては何も変わらない。この銅像建立が、動機になって行動を起こしてくれれば」と語っていた。

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新年のご挨拶。

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