日蓮宗新聞
2003年4月10日号
巣立つ世界はいま“修羅場”
立正大学(吉田榮夫学長)の平成14年度「卒業証書授与式」が3月25日、東京・五反田のゆうぽうとで行われた。ことし大学を巣立ち、社会に羽ばたく卒業生は2507人(仏教学部198人)。
式では、吉田学長から各学部の代表者に卒業証書が手渡された。仏教学部代表は、学長賞も受賞した高平妙心さん。
吉田学長は「大きな可能性をつかむためには力が必要。大学で培った学問や友情を楯に、知的好奇心を忘れず、豊かな人生を送って下さい」と述べ、学園総裁・藤井日光日蓮宗管長名代、岩間湛正宗務総長が祝辞を述べた。
卒業生代表の日比谷和美(文学部)さんは、謝辞として「私たちが踏み出そうとしている世界では、修羅場が再び始まろうとしている。卒業生一人ひとりが世界に対して立正大学の“建学の精神”である真実・正義・和平を求め、実現することが、立正大学で学んだ責務だと痛感している。」と述べた。
式後は立正大学大崎校舎に会場を変え、各学部の卒業証書授与式。仏教学部(庵谷行亨学部長)は仏前の奉告式として石橋湛山記念講堂で行われ、読経、唱題のあと、毎年該当者に贈られる管長賞に遠藤実さん(宗学科)、総長賞に池内章泰さん(同学科)、法主賞に丸茂希さん(仏教学科)、仏教学部同窓会長賞に大森華さん(同学科)が選ばれ、賞状と記念品が贈られた。
岩間湛正宗務総長は祝辞の中で「日蓮聖人は真の仏教者として、固い決意を持ってその生涯を法華経の宣布に捧げられた」として開目抄の三大誓願を挙げ、それを言い換えた「“建学の精神”を拝し、実社会で大いに活躍し、日本社会に貢献して欲しい」と述べた。
2003年4月1日号
身延山大学学長に宮川了篤師
身延山学園(井上瑞雄理事長)は、3月24日の理事会で身延山大学学長に宮川了篤同大学仏教学部長(千葉県市原市光徳寺住職)を、後任の仏教学部長には中山光勝仏教学部教授(山梨県身延町經泉坊住職)をあてることを承認した。平成14年に就任した中條曉秀前学長は一身上の都合で辞意を表明していた。宮川新学長の任期は、平成18年3月まで。
宮川学長は昭和18年生まれ。立正大学大学院で仏教学を専攻し博士課程を終え、同大学仏教学部非常勤講師を経て、身延山短期大学助教授、4年生大学への改組に伴い身延山大学仏教学部教授、平成12年同大学東洋文化研究所長、同14年同大学仏教学部長に就任した。 現在、日本印度学仏教学会評議員、日本仏教学会評議員を務める。
中山学部長は昭和24年生まれ。國學院大学大学院で法律学を専攻し博士課程を修了。身延山短期大学助教授、身延山大学仏教学部教授を経て、平成14年同大学東洋文化研究所長に就任した。
宮川学長は「私どもはこの身延の地で、1人でも多くのいい僧侶を育て、輩出していくことを任務だと思っています。教師一同自負心をもって学生たちに行学二道を指導していきたい」と豊富を語った。